徒然だいありー

アラサー独身女子の日々の気持ちをぽつぽつと発信していきます

ユートピア

ユートピアとは、トマス・モアの作ったお話しに出てくる、理想郷。

わたしの思う理想郷は、なんか、明るくて、ふわふわしていて清潔な空間で、フルーツ食べ放題の素敵空間ですね。綺麗な天女がハープ演奏してたり、おなかがぽこぽこしてる天使が笛を吹いているような…そんなイメージ。

 

て、わけで今更ながらディズニー映画の『ズートピア』を観ました。

ネットフリックスに加入してから、ほとんど映画レンタルを利用していないのですが、TSUTAYAの更新で一本無料だったのでね…

更新料も全部Tポイントで払っちゃったので、マジでタダで借りてきちゃいました。

ふふふ。

 

で、感想。ぁ、けっこう内容に触れながら進みますので、読みたく無いかたはここから先は読まないでくださいね。

 

 

 

いやーー、キツネのニックがかっこよすぎて…好きなディズニー映画の男子メンバーベスト5の中に入ってきちゃいました…!!!

ちなみにベスト5のほかのメンバーは、『眠れる森の美女』フィリップ王子、『リトルマーメイド』エリック王子、『塔の上のラプンツェル』ユージン、『アナと雪の女王』クリストフです。

まぁ、わたしの男の趣味はおいといて…映画の感想を…

予告編を見ていた時は「このうさぎの女の子がいろいろな困難に立ち向かいながらも、解決していく、サクセス物なんでしょ?」と少し斜に構えた感じで思っていました。

たしかに、うさぎの女の子のジュディが、めちゃくちゃ頑張っているお話し、なのですが、それだけじゃなかった。

いろんな種類の動物が暮らす「ズートピア」という街。電車の入り口も動物の大きさに合わせて、大中小と設置されていて、ジューススタンドも、それぞれの動物に合わせてジュースが提供できるように、工夫がされている。

わたしらの人間世界でいうところの、バリアフリー、って感じなんでしょうね。

就職のために田舎から出てきたうさぎのジュディは、みんなが仲良く暮らしているズートピアに感動しきり。

就職先は警察で、ジュディはうさぎ初の警察官として、警察社会に飛び込んだのですが、警察学校を一番の成績で卒業したのに、最初はあまり重要な役割を与えてもらえません…これはそのまま、男性社会で認められるために頑張らないといけない女性、というのを表現しているのかな〜、と思いました。

まぁ、この辺りもグサァっと刺さるものはありましたね。

わたしは幸いなことに仕事で、男性より冷遇されてる、と思ったことはないのですが、若い頃は「わたしはもっとできる!活躍できる仕事したいっ!」なんてギラギラしていた時期もありましてね。お仕事に良いも悪いもないはずはのに、イメージしていた仕事と違う仕事を割り振られ、落ち込む彼女の姿は、なんだか、若かりし頃の自分を見せつけられているようで、気持ちがわさわささせられました。

 

ジュディ本人の若い頃にありがちな「自分を過大評価しちゃう問題」だけでなく、映画の世界のなかでは「メジャーな草食動物」と、「マイノリティの肉食動物」という社会構造が成立しています。

最初は「草食動物=弱い→弱者」なのかと思っていたのですが、実はこれが逆で。迫害されているのは、肉食動物の方なんですね。

「肉食動物=草食動物を食べる→悪いやつ」という。この偏見の気持ちが、多かれ少なかれ、草食動物たちの中にあるんです。バリアフリーズートピアにも、重大な問題があったのです。

たぶん、これはアメリカの白人と有色人種の構造に繋がっているんだろうと思います。白人が人数が多い方の草食動物で、有色人種が人数が少ない方の肉食動物。これが映画全体の骨格となっているんです。

冒頭で「かっこいい」と述べたキツネのニックは肉食動物なので、幼い頃に受けた差別で、大きなトラウマを抱えています。

頑張り屋さんのうさぎのジュディも、肉食動物に対する無意識の差別心が、やっぱりあるんですよね…ジュディ自身も、それに気がついて成長するのですが、その表現がまた上手いんですよ…この映画…。

ある重大な事件がおこり、それに対してのジュディが警察官として、記者会見で話した内容から、肉食動物排除!みたいな動きがズートピア中に広がっちゃうんですよ。ジュディからしたら、そんなつもりない、発言なんですけど…でもまぁ、不用意で無責任な発言でしたね。「何言ってんだ、このうさぎ」って、映画観ながら思いましたもん。わたしが上司だったら、飛び込んでいって、止めるレベル。当然キツネのニックも怒り、ジュディは、ニックに謝るのですが…

その仲直りシーンの2人の衣装が、あれ、どっかで見たことあるぞ。て感じなんです。

ディズニーランドのアトラクション「スプラッシュマウンテン」の下地になっている物語『南部の唄』に出てくるうさぎと、キツネと、お洋服のカラーがぴったし重なっちゃうんですよ…!!!!!

この『南部の唄』は、劇中で表現されている黒人と白人の関係が、時代考証に会っていない、と猛烈な批判を浴びて、今はふつうに観ることはできないディズニー映画なのです。

わたしも観たことないですが、「うさぎどんときつねどん」の洋服は、スプラッシュマウンテンに乗ったことがある人はみんなピンとくると思います。

仲直りのシーンの二人の衣装をこうしたことに、意味はあるはずなんですよ。ディズニーが本気で、人種問題に取り組んだ、と意思表示しているシーンのように思えて、わたしは凄まじく感動しました。

 

さらに、ホワイトプア…というのでしょうか?白人で、豊かでない人、というのを表現したんだろうな、というような動物も出てきますし、ジュディがズートピアで一人暮らしを始めたお家の隣人は、はっきりと言われているわけではないですが、恐らく同性のカップル、という設定だろうし…

もう、ほんと、短い映画の中にとんでもなくいろんなものを詰め込んだなっ!!という感じの映画でした。

ここまで盛りだくさんだと、頭がぱっかーんとしそうです…し、確かに少々ぱっかん気味です…が、メインのジュディのお話しの方も、自分の発言の責任を取って、真の黒幕を倒し、きちんと物語を終わらせているので、さすがディズニーだな、と感心してしまいました。

 

日本にいると、外国人に対する差別意識や、日本人に向けられる差別意識というのをはっきりと自覚する瞬間が少ないんですよね。でも、自分の中にもジュディみたいな「無意識の差別意識」というのは…「ある」と思った方がいい。と、考えさせられました。

世界はどんどん狭くなっているので、人間が一生の中で出会える人の、その背景に多様なものがある、というのはごく当たり前な世の中になってきていると思います。

差別意識をなくし、多様性をお互いに受け入れた、真のダイバーシティを作る、それが現実社会でのユートピアになるんでしょうね。

そうするための第一歩は、自分を知ること、自分が相手に対してどう、思っているか的確に自覚し、相手を受け入れる。一人一人がこれを努力する、その重要性を、この映画に教えてもらったような気がします。

 

ディズニー映画はハッピーエンドで終わるのがお約束なので、最後は、ニックとジュディ、なんかいい感じでした。もー、お前らそのまま結婚しちまえよ!!みたいな。ね。ふふふ。

キツネのニックとうさぎのジュディが結婚して、二人の間にはアダプトした子どもがいて…みたいな続編、作ろうと思えば作れそうですよね。妄想が止まらん…

 

とにかく、こんなに色んな方向から気持ちを刺激された映画、久しぶりでした。

今回はTSUTAYAレンタルでしたが、いずれ、手元にちゃんと置いておかないといけない映画だな、って思っています!

たぶん、もうみんな観ているのでしょうが、もしまだご覧になっていないようでしたら、本当におススメです!

お子ちゃま向けの映画、ではないですよ!